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NISAニュース
「波乱相場こそ 長期積み立て投資が強みを発揮」

日本経済新聞 2019/08/17

米中貿易摩擦を背景に世界の株式市場が動揺している。日経平均株価は8月に入り1102円(5.1%)安と大きく下落し、投資を始めたばかりの初心者は不安になっている人もいるだろう。実は荒れた相場で強みを発揮するのが積み立て投資だ。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)を使い、長期投資を始める好機といえそうだ。

つみたてNISAは年間40万円を上限に投資し、20年間にわたって投資信託の運用益が非課税になる制度だ。20歳以上の国内居住者であれば誰でも口座を開設できる。長期的な資産形成の手段として利用する価値は大きい。

つみたてNISAで購入できるのは販売手数料がかからず、保有コストが低い投信が中心で、基本的に一定の期間ごとに固定の積立額で購入する。こうした手法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、一度に大きな額を投資するのに比べて価格変動の影響を小さくできる。「投資を始めるタイミングにあまり頭を悩ませる必要はない」(三菱アセット・ブレインズの標陽平ファンドアナリスト)のも利点だ。

始めるには証券会社や銀行などに口座を開設するが、1口座しか作れない。金融機関によって投信の品ぞろえや最小投資金額などが異なることに注意したい。

差が目立つのは商品数だ。対面証券や銀行は商品数を絞っているのに対し、ネット証券は150本前後を用意している。ネット証券の方が選択肢が広い半面、対面証券などでは実店舗で説明を受けながら選べる。積み立て頻度は毎月が基本だが、SBI証券や楽天証券は毎日も可能だ。



次は投信選びだ。投信は運用手法により「インデックス型」と「アクティブ型」に大別できる。前者は日経平均など市場の平均的な値動きを示す指数と同じような値動きをする。後者はプロの運用者が投資先を選別し、市場平均を上回る成果を目指す。

一般的にアクティブ型の方が投信の保有コストである信託報酬が高めだ。金融庁によれば、つみたてNISA対象投信の信託報酬の平均はインデックス型で0.31%、アクティブ型で1.03%(7月22日時点)。NISA口座は運用益は非課税だが、投信ごとにかかる信託報酬は保有期間中、ずっと負担する必要がある。長期投資の利益を大きく左右するだけに、できるだけ低コストの投信を選びたい。

投資先には国内外の株式に特化するタイプや債券など複数の金融資産に分散投資するタイプがある。ニッセイ基礎研究所の前山裕亮准主任研究員は「地域分散をきかせるため、先進国や全世界の株式に投資するインデックス投信がおすすめ」と話す。

過去の積み立て投資の運用成果を見てみよう。バブル崩壊によって日経平均株価が最高値圏から大きく値下がりし始めた1990年から、月3万円の積み立て投資を継続した結果だ。



先進国の株式に投資し続けた場合、投資額の1053万円は約3500万円に膨らむ。内外株式・債券の4資産均等投資でも約2200万円になる。定額で積み立てると、投信の価格が下落したときは多く、上昇したときは少なく購入することになる。長期で運用すると、より積み立ての効果を得やすくなる。

カギは「相場が大きく下落したときに焦って中断しないこと」(三菱アセット・ブレインズの標氏)。先進国株投資の例を見ると、リーマン・ショック後の世界的な株安によって09年初めに一時元本を割り込んだ。ここでやめてしまった人は、その後の株価上昇の成果を得られなかった。

当面は株式も為替も不安定な値動きが続きそうだ。このようなときこそコツコツとぶれない投資を続けたい。



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