日本経済新聞 2018/5/10
丸井グループは10日、積み立て投資専門の証券会社を設立し、夏をめどに営業を始めると発表した。つみたてNISA(少額投資非課税制度)の対象になっている投資信託をクレジットカード決済で購入してもらうビジネスモデルが特徴。10日午後に都内で記者会見した青井浩社長は「10年後に100万人へサービスを提供する」と述べた。
ターゲットとするのは主に20〜30歳代の若者だ。購入時に販売手数料がかからないつみたてNISA対象の投信130本のうち、まず3〜4本をグループで取り扱うクレジットカード「エポスカード」で購入できるようにする。クレジットカードで投信を購入できるのは日本初の仕組みという。積み上げた投信の運用手数料(信託報酬)の一部を収益源とする。
丸井が証券会社設立に踏み切ったのは「従来の金融サービスが富裕層や高齢者に偏っており、若い人が取り残されている」(青井社長)と判断したためだ。丸井は以前からクレジットカードを通じた分割払いなど金融資産を保有していない若い人も買い物をしやすくしてきた実績がある。その延長線上で若年層をターゲットにした新たな金融サービスを検討してきた。その解が少額でも始められるつみたて投資だった。月々の最低投資額は3000円または5000円を検討している。
丸井にとってはものだけを売る百貨店が生きのこれるのかという経営課題もあった。従来の金融機関がとりこめてこなかった若者をターゲットにした金融サービス分野に進出することで、丸井の店舗に付加価値を持たせる狙いもある。スマートフォン(スマホ)を通じての申し込みだけでなく、丸井の店舗での口座開設や、商品説明をできるようにする予定だ。青井社長は「10年後には100万人の顧客へサービスを提供し、預かり資産残高1兆円を目指す」との目標を掲げた。
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