日本経済新聞 2017/8/22

金融庁は少額投資非課税制度(NISA)を使った投資がしやすくなるように制度を見直す。2018年度から専用口座を開設するのと同時に株式や投資信託を購入できるようにする。使い勝手をよくし、口座を開いただけで投資に至らないといった事態を防ぎ、6割にとどまる口座の稼働率を引き上げる。
金融庁が近くまとめる税制改正要望にもりこみ、政府・与党が認めれば18年4月から適用する。年120万円までの投資が5年間、非課税になるNISAは、1人に1口座しか開けない。
マイナンバーを使うことで二重口座を開設していないかすぐに確認する。口座開設と同時に投資できれば、利用者は銀行や証券会社に2度来店する手間がなくなる。
現在は専用口座開設から実際に投資するまで2週間前後かかる。制度が始まった14年は口座を開く人が多く、投資ができるまでに3カ月もかかる金融機関もあった。その間に店舗を再訪するのが面倒になったり、相場が変わったりして投資しないままの口座は多い。
日本証券業協会によると、主な証券会社10社のNISA口座稼働率は17年3月末時点で6割にとどまる。
政府は、過去に300万円までの預貯金の利子が非課税となる少額貯蓄非課税制度(マル優)で複数口座が相次いだため、厳しく二重口座の確認をしてきた。NISAでは、14年から二重口座が見つかったのは1%以下。1人が1口座しか開けないと利用者に広く認知されており、金融庁は確認期間が短くても問題ないと判断した。
NISA口座での投資額は約10兆5000億円で、政府は20年までに25兆円にしたい考えだ。20〜40歳代の利用を促し、投資額を増やすために18年1月からは「つみたてNISA」が始まる。

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