2018年から新たな少額投資非課税制度「積立NISA」が始まる。購入対象商品を投資信託のみとし、現行のNISAと比べて制約がある。まず毎月分配型は対象外で株式の組み入れが必要。さらに信託報酬を所定以内に抑えたうえ、販売手数料は無料などが条件だ。資産形成に乗り出す若年層に優しい制度設計を意図したようだ。
特に運用責任者が銘柄を選んで投資するアクティブ運用型は指数連動のインデックス型よりも条件が厳しい。運用実績が5年以上、残高は50億円以上、資金流入超過の期間が3分の2以上などの要件が加わる。
では、積立NISAの候補となるアクティブ型投信の運用成績はどんな状況か。確定拠出年金(DC)専用を除き、積立NISAの要件を満たす投信は、現在8本ある。5年前から積立投資を継続したリターン(年率換算)を計測し、成績をランキングした。
首位は日本株で運用する「ひふみ投信」。5年積み立てた場合のリターンは年率11.2%と日経平均株価(配当込み)の6.8%を上回る。最近はテレビ番組などを通じて高成績を知った個人の購入が急増。同じ運用内容の姉妹投信「ひふみプラス」と合わせた残高は1800億円を超えた。
ただ過去5年に対して過去1年の上昇率が日経平均を少し上回る程度まで縮小した点は気になる。「規模が拡大すると運用成績は平凡化しがち」というジンクスを打ち破れるか注目だ。
2位は海外株主体で運用する「セゾン資産形成の達人ファンド」で年7.5%の上昇とこちらも堅調だ。
ただ高いリターンはあくまで過去の実績だ。将来も高成績が続くとは限らない。もちろん、積立投資でも元本割れのリスクはある。
10月からの積立NISA投信の正式登録に向け、信託報酬の引き下げや販売手数料の無料化で条件を満たすアクティブ型候補が他にも出てくるかもしれない。