「政策買い」とは、時の政権が打ち出した政策に関連する銘柄を買うこと

株式投資を行う場合は、その時々でどんな政策が出ているのかをチェックすることが、とても重要となります。
それでは、株式市場で言われる「政策買い」について考えてみましょう。
「政策買い」というのは、簡単に言うと、時の政権が打ち出した政策に関連する銘柄を買うこと。なかんずく、経済政策と言われる政策は、予算措置を伴うものが大半、つまり、政府がお金を事業に投じるだけに、それにまつわる企業はビジネスチャンスが大きくなるのは言うまでもありません。政策によって恩恵を受けるのです。
具体的な例を示してみると、日本国内の景気が悪化した場面では、公共事業を拡大することが少なくありません。国の予算で道路や鉄道などの工事を実施することで、建設会社を中心にお金の回りが良くなり、いわば人為的に景気を浮揚させるのです。こうした施策は景気対策とも言われてきました。
そうなると、工事が発注された段階こそ、建設会社の業績がすぐに良くなるわけではないながら、事業が終了する時には利益が今よりも増えることは想像に難くありません。
株価は、将来を先読みして動く性質があるため、公共事業の拡大策が打ち出された時、将来の利益増加を先取りする形で上昇することになります。
「政策買い」は公共事業の拡大策とは限りません。その政策によって、収益アップが見込まれるものなら何でも。
予算措置を講じるということは、そもそも、どこかにお金が回るので、その企業は儲かるのです。インフルエンザが流行して、政府がその対策のために予防薬を備蓄するとしましょう。その場合、予防薬を製造する製薬メーカーは、政府が備蓄するという“政策”の恩恵を直接的に受けるのです。
先述した民主党政権下で実施された子ども手当についても、株式市場では「政策買い」が活発化しました。これが支給されることによって、いわゆるチャイルドビジネス、紙おむつに始まり、塾や習いごとまで関連銘柄が物色され、株価が上昇したのです。
相場は公約として打ち出した時に始まりました。民主党が選挙に勝つと想定されていたため、早い段階から買われたのです。
もっとも、実際には財政上の問題から公約にあった額よりも、支給された額は半額になってしまいました。つまり、思ったほど政策の規模は大きくなかったのです。このように、期待通りにならないことも少なくありません。
政策をアナウンスしながら後で撤回した場合など、先に期待が膨らんでいたぶん、失望感も大きく反動安に見舞われてしまう例もあるなど、実現性に注意を払う必要もあります。
<続く>

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