国民一人ひとりが自己防衛をしなければ、明るい将来はない

日本は今、アベノミクスの脱デフレ政策で、「失われた20年」から脱却しつつあります。
しかし、経済の回復に対して賃金の増加はまだ低く、物価上昇の負損だけが増大するということにもなりかねません。
国民の消費動向は、消費税増税後の反動が緩やかだと言われていますが、これは駆け込み需要が盛り上がらなかったことの証左でもあります。
しかも、増税後の物価上昇は、増税前の物価に増税額を足した数字を下回る状況となっています。
つまり、国内の消賞動向はアベノミクスの掛け声ほど盛り上がっていないということです。その大きな理由は、アベノミクスに期待はしているけれども、国民の本心としては将来への不安が拭いきれていないからだと思われます。
そして、将来への不安の最大の要因になっているのが、日本の人口減少だと私は思っています。
しかし、日本政府は日本の人口減少を容認し、2050年に1億人程度の人口維持を防衛ラインとする予測政策を発表しています。
これは今から2,700万人の人口が減るということであり、言い換えれば人口100万人都市が国内で27個も消滅するというイメージで考えれば、とんでもない政策であると言えるのではないでしょうか。
しかも、この予測すら守りきるには厳しいのではないかという多くの専門家の見方があります。
経済的にみると、アベノミクスの効果でここ2年や3年はよいとしても、このままでは将来の内需の拡大は非常に難しいということになります。
年金を含めて社会保障の将来も明らかにぜい弱で、崩壊の可能性がかなり高いと推測されています。
すでに年金支給開始年齢を引き上げる議論が政府内でされています。健康な人で働きたい人は75歳まで働ける社会基盤を作ろうなどという意見も出てきました。
老後生活の選択肢を広げる前向きなおもしろい政策とも取れますが、最終的には年金支給年齢を75歳まで上げる伏線ではないかと勘繰るのは私だけでしょうか。
国民一人ひとりがしっかりとした危機意識を持って自己防衛をしなければ、日本の明るい将来はないということになります。
アベノミクスで短期的にデフレ脱却ができたとしても、その後にくる困難な時代に我々は備えなければなりません。
その漠とした不安が、国内消費の盛り上がりに力強さを感じられない理由ではないでしょうか。
<続く>

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