オフィスビルを経営の軸とする不動産株、不動産ファンドが狙い目
各論を項目別に記していきます。「政策買い」は、その政策にゴーサインが出て実現するまでに時問を要するため、現行で期限が5年となっているニーサの投資方法にピッタリかもしれません。
・成長戦略
成長戦略では「岩盤規制の緩和」を第一に、「法人税率の引き下げ」「容積率の緩和」「カジノ」「インバウンド」の4点をキーワードとして取り上げます。
3.容積率の緩和
容積率とは、敷地面積に対する建築延べ面積の割合のことで、建築基準法によって定められています。
狭い土地を有効活用する際に、高層建築物を建設すれば、使用できるキャパシティが広がり、それによって賃貸収入を得るのであれば、身入りが大きくなるのは言うまでもありません。
しかし、やみくもに建てられるわけではなく、一定の制限があります。これが緩和されれば、土地の有効活用が一段と進むことになり、利用できる土地が少なくなった大都市圏では、たとえば、オフィスビルの床面積を維持しながら新規に居住用のスペースが確保できるようになるなど、メリットが大きいのです。
過去には、1980年代の土地バブルは、空前の低金利のみならず、容積率の緩和もきっかけになりました。一方では、不動産価格が高騰するという批判も生じないわけではないながら、経済成長の観点で言えば、効果が大きい施策とみることも可能でしょう。
バブル当時のことを少し振り返ると、不動産株を中心に「含み資産」が注目されていました。いわゆる会計上の原価主義によって、保有している土地の簿価が低いため、規制緩和をもとに活用すれば大きな収益源になると考えられたのです。
その結果、「含み資産株」が大暴れし、バブル相場の主役となりました。歴史の土地持ち企業が、含み資産があるということだけで人気になったのです。
今の時代、土地を持っているというだけでは相場になりません。やはり、確実に活用ができる土地でなければ、投資の対象にはならないのです。そうした意味でオフィスビルを経営の軸とする不動産株、不動産ファンドが狙い目になります。
ところが、大手不動産株と言えないところが痛いところ。現行のニーサの上限額ではこれらの銘柄は手が届きません。株価が数千円台の三井不動産、三菱地所が本命になるのですけれど、これらは1単元が1,000株ですので、ニーサを利用するのであれば、2番手以下の不動産株や不動産ファンドなどから、銘柄を選択することになります。
その意味で、東京建物などはマークしていいでしょう。容積率の緩和は、当然のことながら賃貸が主体の不動産会社に将来的に大きなメリットを与える可能性が高く、ビルの開発、賃貸を主力とする同社の今後はおおいに期待していいと思われます。
<続く>
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