特に抵抗勢力が強力な分野が「岩盤規制」
各論を項目別に記していきます。「政策買い」は、その政策にゴーサインが出て実現するまでに時問を要するため、現行で期限が5年となっているニーサの投資方法にピッタリかもしれません。
・成長戦略
次に取り上げる成長戦略については、100%固まったわけではありません。方向性は確かながら、その点をご了承願いたいと思います。
第3の矢については、これまで紆余曲折があったと言っていいでしょう。それは、既得権があるために規制緩和に抵抗する省庁や業界団体が存在し、過去を振り返ると、規制緩和の必要性が叫ばれながら、その都度、押し戻されて実現しなかった経緯がありました。
抵抗勢力が強力な分野を特に「岩盤規制」と言っているほどです。
しかし、アベノミクスでは国家戦略特別区域を設けて、そこを突破口に2年で「岩盤規制」に穴を開けると明言。今度こその期待が高まってきました。
そうした点も踏まえ、成長戦略では「岩盤規制の緩和」を第一に、「法人税率の引き下げ」「容積率の緩和」「カジノ」「インバウンド」の4点をキーワードとして取り上げます。
1.岩盤規制の緩和
岩盤規制の緩和で注目されている分野は、大きく二つあり、これまでも議論として何度も浮上していました。農業と医療の分野です。
まず、農業ですが、農地転用、株式会社の参入などが解禁された場合、ビジネスチャンスが一段と広がることは問違いないでしょう。新たなスタイルの農家も誕生する可能性も高く、虎視耽々と参入を狙っている企業のみならず、農業機械メーカー、種苗会社など既存の農業関連銘柄にも恩恵をもたらすことが期待できます。
サカタのタネ、キリンホールディングス、日本たばこ(JT)、日本農薬、井関農機、クボタなどが代表格でしょうか。
サカタのタネは言うまでもなく種苗大手。国内農業における優秀な農作物を支えている会社と言っても過言ではありません。農産品の輸出が拡大となれば、メリットが大きいと考えられます。
キリンホールディングスやJTは、事業そのものが農業に直結しています。植物バイオ関連としての側面から、マーケットで注目されたことも少なくありませんでした。
日本農薬を中心とした農薬メーカーや、井関農機、クボタといった農業機械メーカーなどに恩恵が大きいことも注目できるでしょう。
さらに、広げれば、コープケミカルや日産化学工業などの肥料株もピックアップできます。
これらの狙い目は、単に日本の農業拡大の側面だけにとどまりません。新興国や発展途上国からは、日本の優秀な農業技術を欲しがっており、そうした点からもビジネスチャンスが大きいと言えるグループとなります。
最近では、農協改革が議論されるようになり、政権の本気度も感じられるようになりました。規制緩和への期待が膨らむ方向です。
他方、農業と並ぶ岩盤規制とされるのが医療の分野です。ここでは、先端医療の扱いが焦点。
かりに、保険外診療の対象に先端医療が入れば、製薬会社や医療機器メーカーにチャンスが広がることは想像に難くありません。
製薬会社などのバイオ関連株は、ひとたび大型の新薬が発売された場合、収益構造が一変するため、夢の大きいグループとして折に触れ注目されて行くことでしょう。言わば「当たれば大きい」グループです。
<続く>
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