株式上場と幹事証券会社。

Aさんは個人商店Aを営んでいます。店で製造販売しているケーキが評判でよく売れています。Aケーキ株式会社が上場を決断するまでについては前回のコラムでご案内しました。
さて、東証マザーズに上場する10日ほど前に発行価格が15万円と決まったAケーキ株式会社の株。この公募価格にブックビルディングに参加した投資家が払い込みをして、新株の持ち主が決まります。
人気が高い場合は比例配分になり、1万株買いたいと申し込んでも100株や、1000株しか買えない場合や抽選になり外れることもあります。
ちなみに、こうした公募は金融商品取引法第一種金融商品取引業者(内閣総理大臣の登録を受けたもの)でなければ行えません。未公開株詐欺に引っかかる人がいますが、注意してくださいね。
さぁ、公開初日。いよいよ、Aケーキ株式会社の株式が取引所取引ではじめて値段がつく日です。Aケーキ株式会社は人気が高く、はじめてついた価格(初値)は25万円になりました。
事前に公募で株式を買えた投資家は、15万円が25万円になって大喜び。こうしたケースがあるので、新規公開前の公募株への事前申し込みは大人気になることがしばしばなのです。
創業当時から株式を持っていた人は、もっと大儲けですね。振り返ると、Aケーキ株式会社の当初の株主は30人。最初は1株5万円の払い込みでした。設立当時から株式を持っていた人は5万円が25万円になり、増資の度に持分に応じて株式が増え、保有期間にたっぷり配当ももらっていますから、大いに報われました。もちろん、出資者であり会社の発起人のAさんは公開利益を得て大金持ちですね。
ただ、冷静に考えると上場は上場企業としてのスタートです。ここからさらに利益を上げ、配当し、よい製品で評判を高め、株主からの信頼を獲得して、いつでも新規株式にお金を払い込んでもらえるように、成長し続けなければなりません。
そのためには、株式市場で資金を得たら会社の発展に繋がるよう、お金を上手に使っていかなくてはなりません。
株式市場で株を売り出し、資金調達をして、ビジネスの夢を達成していく。それが上場の原点です。公開で資産が増えて経営に身が入らなくなる社長や社員では本末転倒ですね。
事業家は事業の夢の実現を目指し、株主はそのパートナーとして夢実現の応援をするのが理想といえます。
よいビジネスを応援できる投資家として、ビジネスを見る目を磨き続ける。これも投資家の重要な役目です。そして、株で儲けられるかどうかのポイントともいえます。
参考になさってください。

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